一より習ひ

「稽古とは一より習い十を知り、
 十よりかえる元のその一」なのだそう。
 和の世界をマイペースで巡る
 植田伊津子の徒然記です。

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震災後1週間

東京は、震災以後、静かにこの現実を受け止めている。いまだ日中何度もおとずれる余震にふるえながら、被害がこれ以上悪化しないよう、ただただ切に願っている。

近隣のスーパーでは、米やパン、牛乳、カップ麺といった食料品から、テッシュやトイレットペーパー、電池といった生活消耗品が品切れ状態が続いていたが、食料品は今日ぐらいからだんだん棚に戻ってきた。
東京は、ひとりひとりが異常に買い占めなければふつうに流通するのは自明なのだけれど、「どこにもない」状態が、買い占め心理を引き起こしていたのだと思う。

パンがなけりゃ、ごはんを食べればよし。
ごはんがなくなったら、うどんやパスタを食べればよし。
しまい忘れていた缶詰や乾物だっていろいろある。何より自分の身体に備蓄(脂肪)あり……というわたくしをはじめてとする主婦たちは、今こそ知恵を絞って献立を考えれば、しばらくは買い物をしなくても生きていけるものと思う。
こんなときだから、楽しく献立を工夫したい。

震災一週間後の避難民の数は、なんと42万人という。疲れと寒さに耐えながら、不自由な生活を送っている様子をテレビで見ると、胸がふさがる思いがする。

みずからも被災者であるのに、避難民たちに食料を配り日夜救援活動をされていたりする地方自治体世話役の方々、自衛隊、警察、消防、医療従事者、諸外国の救援隊、福島原発事故の冷却作業や鎮火作業に携わる関係者たち……。この方々の決死の努力に頭が下がる。
原発事故では、マスコミが東電や政府の対応を糾弾する構えを見せているけれど、今、彼らを責めてなにかが好転する材料はない。
それよりも、彼らが真実の数値や現状をきちんと発表できる空気をつくり、それを国民に正確にすばやく伝える役目をマスコミに求めたいと思うのはわたくしだけだろうか。
また彼らは、ここまでの非常事態になったら最悪のシナリオを国民に話しておくべきだとも思う。「突然の最悪」が
人びとをパニックの行動に駆り立てる。もう少し国民の知性を信じてほしい。

ところで、わが家は、息子が昨年まで杉並区の公立小学校に通っていたので、区で発生した犯罪や緊急に伝達する必要のある情報をメール配信するサービスを受けている。「空き巣・ひったくり情報」「子どもの見守り情報」である。

じつは震災以後、杉並区ではこうした犯罪が一件もないのだ。震災前までは、少ないけれども日常的にあった犯罪がぴたりと止まっている。誰もがむやみに狼狽えることなく、秩序のある対応をし続けることが、東京にいるわたしたちができるひとつのことだろうと思っている。

さて、ご心配いただいた東北に住する親族の伯父さんであるけれど、昨日無事の一報が入り、今日、本人からわが家にも電話があった。

「ほんとうによく生きておられて……(絶句)」
「伊津子さん、長く話せないから用件だけ話します。今月の東京での食事会は中止だって、義明(夫)に言っておいてください」
「えっ? なんですって?」

伯父さんはそれだけ話して、ツーツーツーと電話が切れた。
今月末に、東京でおこなう予定だった食事会を中止にするというひと言。そりゃ未曾有の国難で、伯父さんは被災者本人なんだから、食事会は中止でしょうよー。
そちらの家は? ケガは?…………ともかく無事でによかったです。

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COMMENTS

Posted by とっちゃん  at 2011/03/17 3:46 PM
本当、終わりの見えない余震続きで、東北・関東地方の方々のストレスもいかほどかと、、、    このあたりでさえ、カップ麺とかの非常食品は品薄状態になりつつあります。   こんな非常時やからこそ、国民の皆さんには良識ある行動をとってもらいたいですね。
そして、おじさまとも連絡とれたとのこと、何よりです。
Posted by かっぱこ  at 2011/03/17 6:39 PM
いつも拝読させて頂いております。山形に住む実家の両親は、寒い中、ガソリンも灯油も切れてしまったので、こたつと電気毛布だけで何とか寒さをしのいでいます。それらも計画停電の際にはきれてしまうそうです。車で行かなければならない買い出しもガソリンがないので行けず、スーパーにはほとんど何も残っていないということです。
私自身乳児を抱えているのですが、東京ですらおむつがもう売り切れていたり、生活消耗品が手に入らない状況です。何より商店街には平日なのに買い物客でごった返していて、何を買うのかドラッグストアの連日の長蛇の列にはびっくりしました。うちではトイレットペーパーが切れても水で洗えば良いし、紙おむつが切れたら布おむつ、停電したら寝ていようと思っています。多少不便を強いられても、数時間後には電気がつくし、断水もしていないのは幸せだと両親の生活を聞いていて思います。いつこさんがおっしゃる通り、被災地や被災地周辺の人々の生活のためにも、ぜひ買いだめをしないように、一人でも多くの方にお願いしたいです。
Posted by Dr.K  at 2011/03/17 8:12 PM
伯父さんの無事が確認できてよかったですね(^_^)

話は自身のことになりますが、私も少々被災しました。
電気は2日以上止まり、水道も3日止まりました。
給水車から、長時間待って給水を受けるということも体験しました。
ライフラインが止まるというのは、非常に不便ですし、また、非常に不安になることを体験しました。
建物にはさほど被害はなかったのですが、家の中の被害は大きく、古伊万里では9点ほど損傷しました(>_<)
我が家の周りでは、家の屋根がやられ、塀が倒壊したところも多くみられます。
また、道路のいたるところに陥没や地割れがみられます(>_<)
こんなシーンを身近に見るのは初めてです(>_<)

でも、昨夜、やっとインターネットも繋がり、だんだんと平常の生活にもどりつつあります。
一日も早く復興されますことを祈るのみです!
Posted by 結城宮崎  at 2011/03/18 10:35 AM
ご無沙汰しています。
こちらも被災していて、水、ガソリン、オムツなどの物資もちょっとした奪い合い状態でした。
うちの方は、買いだめでなく、必要に迫られての買い物ですが、そういうことに一日のうちの多くの時間を忙殺されて、まさか人生でこんなことが起こるとは、と家内と一日一度は話しています。
それでも、津波被害の避難者の方々を考えれば、家が有り車が有り、家族が皆無事でいるだけで十分なのかも知れません。
でも心配なのはやはり原発の行方。ちょうど子供達は春休み、関西へ里帰りの予定だったので、避難する訳では有りませんが帰省となりました。
義父も心配していて、娘と孫の顔が見たいとの事なので!
Posted by hal  at 2011/03/18 10:57 PM
連絡とれたようですね。
いや〜良かったね!

物資に関しては、香住や豊岡などでも、電池や懐中電灯や無くなってると
私の母親が言ってましたよ。

まだまだ大変な状態が続くと思いますが、
助け合ってなんとかしていきましょう!
Posted by 植田伊津子  at 2011/03/20 1:15 AM
それぞれの立場で、皆さん苦労されているご様子。

かっぱこさん
いまだ生活品を手に入れるのにたいへんな状況でしょうか? おそらく来週になれば、もう少し落ち着くと思います。山形のご実家の方々の不便も、どれほどのことでしょう。しばらくの辛抱でしょうが、ご事情お案じ申し上げます。

Dr.Kさん
古伊万里が9点も被害! まあそれは(>_<)。
けれど、お身体に障りないようで安心いたしました。ライフラインが止まったり、計画停電で電気が止まったりされている地区の方々は、23区内の都民にくらべると、如何ばかりの不自由かと思います。

とっちゃん、halさん
いろいろ心配かけて、ごめんなさい(^_^;)。
伯父さんのこと、ほんとよかったと思います。家の1階は浸水のため、2階で避難暮らしをしていたみたいですが、近くにいる親族のところへ、とりあえず身を寄せることになりました。男ひとり(60数歳)の独身なので心配しています。
われら家族は、家の片付けの手伝いに、春休み中に一度岩手に行こうという話をしています。

結城宮崎さん
ご家族の皆さんが無事でなにより。そちらは都内以上にたいへんな状況なのでしょうね。小さいお子さんがおいでですから、遠く離れているお義父さんのご心配もひとしおだったでしょう。
しばらくは仕事のほうも先行き不安な状況が察せられ、今は「きもの」や「茶の湯」といった不要不急のものは苦戦を強いられると思います。
嗚呼、早く日本が元気になってほしいと心から思いますが、まずは震災の復興、原発事故が終結することを切に願っています。

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