一より習ひ

「稽古とは一より習い十を知り、
 十よりかえる元のその一」なのだそう。
 和の世界をマイペースで巡る
 植田伊津子の徒然記です。

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沖縄

忙しいのは忙しかったのだけれど、ブログをしばらくお休みすると、変な休みグセみたいなものがついて、「はて、わたくしはここに何を書けばよいのでしょう」というようなことをたまさか考えるような状態が続いて、ますますブログを書くのが遠のいていたこの頃でした。

その間に沖縄に行っていたり……。はじめての沖縄である。

40年以上生きてきたが、ここがこんなに気持ちのよい土地だとは、ついぞ知らなかった。東京ではコートが必需品だったのにあちらはシャツ一枚でも充分だったりして、温暖な天気というものはそれだけで「幸福」な気持ちになる。
何もかもがおだやか。誰かに頭をどつかれたとしても、「かまわん、かまわん」と言ってしまいそうなぐらいである。



沖縄県立博物館の館外展示場にある沖縄独特の建築様式で建てられた民家のシーサー。シーサーは家の守り神、伝説の獣なのだそうだ。
ちなみに旅の途中出会った
名護市庁舎というのが、またまた面白い建物で、赤瓦の要塞のようなような雰囲気。シーサーがその各所に鎮座していた。


ホテルから眺める谷茶の海岸線。もう、すごいですわ。

ぼんやーりと海岸線をレンタカーで走っていたら、のどかすぎて鼻歌が出てくるほどだし、道の駅で現地の食べ物を調達しようとして中に入ったら、南国風の果物やら訳の分からない素朴な蒸し物に和むし、のろのろとキャッシャーを打つ現地の濃い顔のお兄さんたちの笑顔にこっちもにっこりしたくなる。


行ってきました。首里城世界遺産で、琉球国王の城。沖縄最大級の木造建築なのだそう。


首里城公園内で日に数回、琉球舞踊のデモンストレーションがおこなわれているそうで、ちょうどそのときに居合わせたのだった。紅型の打ち掛けみたいな衣裳を着た踊り手が、ゆったりと舞っている。そのうつくしいこと!


琉球石灰岩で造られた建造物「園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)」。国王が外出するときに安全祈願をした礼拝所なのだそうだ。現在、国指定重要文化財。また2000年(平成12)には世界遺産へも登録された。

ここでは、世の中のこと、もうすべて「何もかもこれでよし」という現状肯定の気分に満たされてしまう気持ちになるのである。
せちがらい社会をギリギリで生きる身としては「沖縄で長時間過ごしていたら、ふぬけてしまうかもしれないな」ともチラリと思ってしまった。それだけはじめて訪れた土地ながら、たいへん魅力的だったのだ。

こちらでは、
沖縄県立博物館・美術館で沖縄のやきもの(ヤムチン)を辿る美術展「琉球陶器の来た道」を見る機会を得た。
本展は17〜19世紀にかけて琉球王国次代につくられた陶器を、その起源から概観する展覧会である。わたくしは沖縄の染織品や漆、やきものに憧れてはいるものの、自身はまったく詳しくない。





上=建築の外側は、格子状の構造体。下=エントランスを入ってすぐの柱の上部のディテール。
博物館・美術館って、総じて暗い、古いというイメージがあるけれど、ここは2007年にできたばかりの新しい建物。平日にもかかわらずけっこう市民がやってきていた。開放的な雰囲気だからかもしれない。ふれあい体験室などでは、民族楽器を楽しめたりする。



ちょうど芸術新潮の1月号に載っていた「沖縄の美しいもの」特集を片手に博物館へ行った。ユシビン(嘉瓶)、ダチビン(抱瓶)とよばれる泡盛を入れる酒器や、沖縄の赤絵のチューカー、鉄絵の湧田焼の絵付け皿など、わたくしにとって新鮮な美を堪能する。これら沖縄の工芸にスポットが当たったのは、民芸の濱田庄司や河井寛次郎、柳宗悦らの努力のおかげだといわれている。

旅先の美術館を訪ねる場合、旅の高まりとともに、そこの収蔵品が「底上げ」されて見えることが多いわたくしだけれど、そういう傾向をとりあえず横に置いたとしても、本展は沖縄の工芸をもっと知りたいなというきっかけになった。

ところで、わたくしは工芸の盛んな土地を旅したときに、その土地の「よいもの」を買って帰りたいという希望がある。しかれども、大体は工芸品を扱うお店で失望させられることが多い。

今回も、やきものをはじめ染織品など、いろいろ見て何か買おうかなと思っては、廉価ではあるものの、中途半端な雰囲気を漂わせる工芸品もどきに食指がのびなかった。東京の然るべき工芸店で、すでに選ばれし物たちの中から選ぶほうが、数段良いものが買えるような気がしたのである。

この現象は沖縄だけではない。「東京でしか物は売れない」と、土産物もどきたちが声を挙げているような状態が日本全国の観光地で散見される。現地で本物を手に入れたい地元民は、口コミによって製作者と表に出ないところで取引をしているのだろう。だから、地元民は土産物みたいな工芸品は買わないんでしょうね。

沖縄で、このブログを読んでいる読者の皆さんがおられましたら、とっておきの地元情報を教えてください。わたくしは再び沖縄にうかがいたいと思います。だって、ほんとうに素敵なところですものね。





せっかくなので、東京の根津美術館の近くに支店がある古美術店「観宝堂」の那覇本店へ。さすが評判の高いお店とあって、すてきなものがたくさん。それに東京とくらべて安い! 200年ほど前の湧田焼の施釉茶碗をひとつもらって帰りました。



ちょうど沖縄にやってきていた阪神キャンプ。少し足を伸ばして、様子を見てきました。もっとゆっくり眺めていたかったけれど、いろいろスケジュールが詰まっているため、小一時間もしないうちに退散。せめて双眼鏡を持ってくるべきだった。今年は優勝!

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COMMENTS

Posted by とっちゃん  at 2011/02/19 8:12 AM
沖縄でしたか〜  通過した、とかも含めたら、唯一私も足を踏み入れた事ない県かも・・・ いっちゃんの日記読んでたら、かつていろんな方が終の棲家に沖縄や奄美を選んだというのも納得だな〜   まーさんのパラオといい、、、南国に足のばすと人生観変わりそうだね。
Posted by Dr.K  at 2011/02/19 3:37 PM
沖縄に行ってたんですか。
私もまだ沖縄には行ったことがありません(>_<)
是非行ってみたいですね!
行くならやはり冬がいいでしょうかね。
Posted by 植田伊津子  at 2011/02/21 11:38 AM
沖縄はいいところでしたね。冬は南方、夏は北方に出かけたいものです。わたくしは北海道に行ったことがないので、一度行ってみたいものだと思っています。あと、佐渡や五島列島などの離島にも。

ありゃ、まだ日本全国行ってみたことのないところがたくさん(^_^;)。

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