一より習ひ

「稽古とは一より習い十を知り、
 十よりかえる元のその一」なのだそう。
 和の世界をマイペースで巡る
 植田伊津子の徒然記です。

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新春の挨拶回り

新春の挨拶回り。京都の卸問屋さんやメーカーさんは、この時期、東京の馬喰横山界隈で新春市を開催。
事前に電話をくれたシルクラブの西村はなこさんと、日にちを合わせて一緒に回ることにした。

最初に、帛撰、染めのみずぐち、室町の加納さん、しょうざんの4社合同会に顔を出したら、ちょうど加納さんの会長が上京されていた。いつもは、昨年社長に就任した娘婿の若い加納俊さんとお話をさせてもらっているが、布袋さんにそっくりな会長の拝顔の栄に浴し、お元気そうな様子にひと安心。

綿商ビルに移動をして、紐の渡敬さん、洛風林副社長のチャーミングな堀江さん、野口さん、室町の京正さんや男前の太田和社長らにもお目にかかる。堀江麗子さんの新春きもの姿、かわゆす。
洛風林さんの資料館(非公開)に行ったことがないので、京都へ行く機会があれば、一度拝見させてもらえたらと思う。

会場では銀座いせよしの千谷美恵さんや顔見知りの方々とばったり。千谷さん、年賀状ありがとうございました。

それからはなこさんと別れて、銀座へ場所移動。古美術関係にも顔を出しつつ、最終が谷庄さんである。
ちょうどお出かけになるという専務と玄関先で挨拶を交わしたのち、本家次男の谷村庄治さんと、袴をつけた茶人姿の出町正隆さんに奥の茶室でおもてなしいただいた。


床は烏丸光広の春の歌。花入は青竹の一重切に白梅と椿。添えの梅がなんとも可憐な気配だが、わたくしが胸を打たれるのは、やはり青竹の花入である。

これは花材店に頼んで、つくってもらったものではない。谷庄金沢店の当主、谷村庄太郎さん(庄治さんのお兄さん)が、年末、山に入って景色のある竹を探し、竹の径に合わせたサイズを吟味し、いちばんよさそうなところに窓を空けて、みずから花入をつくっているのだ。今年は雪の中の作業だったと聞く。
去年こちらの青竹の花入を見たときも、「こんなにいい竹が金沢にあるんですね!」というほど美事なお見立てだった。日頃、眼を鍛えている方がつくる花入とはこういうものかと思い知らされた。われらにとって、これ以上のご馳走があろうか。


『春日侍行幸仙院同詠松色春久和歌、権大納言藤原(烏丸)光廣』。歌は「ひとしほの松の色かな今年より 尽きぬみゆきをあふく(仰ぐ)春とて」。光広が後水尾天皇について春日に行ったときに詠んだ和歌のようだ。「尽きぬみゆき」とは、「み雪(深雪)」と「行幸」をかけているらしい。雪景色にひときわ濃い松の緑を見ながら、春よこーい、やってこーい……という感じなのかな。まちがっていたらすみません。歌切にふさわしい白金襴の中廻しや一文字が明るい。

お目付役の専務がおられないと、若者同士?の気楽なおしゃべりとなる。お酒を一献ののち、お薄を二服頂戴した。

そちらで、金沢の福光屋のおいしい日本酒を味わった。こちらの
銀座店はいろいろなクラフト企画展をされていて、前を通りがかったときに何度かうかがっているけれど、日本酒をいただいたのは今日がはじめてである。
「福光屋さんはどんな酒造元ですか?」と谷村さんにうかがったら、金沢を代表する老舗ですよとのこと。日本酒以外にも、化粧品や調味料、甘味などのオリジナル商品を扱っていて、わたくしなどは酒粕好きなので「
純米蔵の酒粕」や「こづちロール酒かすクリーム」などにも惹かれている。今度お店に行ったら購入してみよう。

注がれるまま飲んでいると、当然のことながら話が途切れなくなってしまったようで、笑い声のたえないひとときを過ごした。お店の方は迷惑なことこの上なかったと思うけれど、あたたかいおもてなしを受けたら、また今年もがんばるぞという元気が涌いてきた。谷庄さん、ご迷惑をおかけいたしました。

茶の湯やきものの世界のいろんな方たちと新年の挨拶を交わしながら、「皆さんの一年が幸せでありますように。物づくりの人たち、それをまじめに売る人たちが報われますように」と願った一日でした。

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