一より習ひ

「稽古とは一より習い十を知り、
 十よりかえる元のその一」なのだそう。
 和の世界をマイペースで巡る
 植田伊津子の徒然記です。

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西田尚美さんと楽艸さんへ

「あー、植田さん、きものじゃないんですね!」と、近所のスーパーに行くような気軽なナリをしたわたくしを睨んだのは、女優の西田尚美さん

無印の折り畳み帽子に、バーゲンで買った2980円のサンダル、そしてジーンズに麻のチュニックのわたくしである。気合いが微塵も感じられない。
「申し訳ない……(モゴモゴ)」。今日は2人で
草履の楽艸さんを訪れたのであったが、わたくしはこの暑さにゲンナリして、洋服で行ったのであった。
西田さんはエライ。きものである。それも上等な宮古上布。




新里玲子さんの宮古上布の無地。ぎりぎりまで水浅葱を淡くしたような繊細な色合い、薄羽のようなはかなさをともなう風合いが好もしい。帯は同じく宮古上布の中曽根みち子さんのもの。青山八木にてつくられたとうかがった。
それにしても、洗練された感性を強く感じるきもので、猛暑に涼風を運んでくるような静けさがある。お世辞抜きに、西田さんに大変よくお似合いだった。
八木さんが仕入れるきものは、一貫して低温度の透明感があり、それがときとしてわたくしなどは物足りなさを感じたりもするのだけれど、ちょっと他の呉服屋さんは真似できないところがある。


ところで、なぜに西田さんとわたくしとが知り合いかといえば、今春、
に志田のきものの展示会で、わたくしが西田さんのお茶のきもののアドバイスをしたのがきっかけであった。
わたくしははじめ、この方が女優さんだと気づかず、ふつうのお客さまと同様「お茶のお稽古のきものがつくりたい」というご要望を聞いてご相談にのっていた。

ただ「エライきれいな人だなあ。こういう方がお茶のお稽古をしたいと言われている。なんと喜ばしいことだろう。どれだけそのお稽古場の皆さんの意気が揚がることか……」と思いながら、ご相談にのったのは確かで、その後、女優という職業を知らされて、『そうだったのか』と納得した。

に志田での相談を終えてお帰りになる際、ふと西田さんがわたくしを振り返り「植田伊津子さんですよね」とおっしゃった。名札をつけているわけではないのに、どうして、わたくしの名前をご存じだろうと不思議に思っていると、当方のブログ読者だという。

「に志田さんの展示会場で、皆さんのご相談にのりますから、どうぞおいでください」という記事も読んでくださっていたらしい。その事実に、今度はわたくしのほうが驚いてしまった。
重ねて「きものに関してもお茶に関しても、すごく勉強になります。またいろいろ教えてください」と。

「どれだけお役に立てるか解りませんが、ブログのプロフィール頁にメールアドレスが記してありますから、気軽にご連絡ください」と話したところ、実際、本当にメールのやりとりがはじまり、それ以後、一、二ヶ月に一度ぐらいの割合で、一緒にお出かけしたりして仲良くさせてもらうようになった。

ちなみに誤解なく申し上げれば、展示会でお目にかかったことがきっかけで、メールをくださったり、お付き合いがはじまる方は他にもたくさんいる。西田さんは特別な職業の方ではあるけれど、一般のお客さまでも、わたくしにとっては皆、それぞれ特別な方であることに変わりない。

先月から今月にかけて、急にわたくしのブログ更新が減ったとき、ブログ読者の方や知り合いから「植田さん 元気?」と心配をするメールを頂戴した。西田さんもそのおひとりであった。
インターネットは、本当にさまざまな方との縁を結んでくれると痛感している。

さて、それはさておき、ちょうど5月頃、雨草履を探していらした西田さんの相談にのっているときに、それならば……と思って楽艸の名物店主・
高橋由貴子さんをついでにご紹介したいと思って、こちらにお連れしたことがあった。

結局、西田さんは雨草履とは違うものに目が行き、わたくしもミイラ取りがミイラになるがごとく、それぞれ一足ずつオリジナルの草履をつくることになった。
わたくしはエナメルだけれど、めずらしく前ツボが渋い色調のもの。西田さんは夏草履。


西田さんがつくられた夏草履。高橋さんとわたくしの双方がなんやかんやとご相談にのりつつ、台・鼻緒・前ツボ・台に入れるクッションの密度についてまで仔細を話し合った。
この台、麻なんですよ。よく見かける籐の台よりもカジュアルにならず、パナマに似たエレガントさをもたらしながら、パナマより断然値段がお手頃。やわらかものと織物の両方に合わせられるように、どちらでも違和感のないテイストを選んだのがポイント。


本日は、それの試し履き&商品を引き取りに行く日。本当は夏がはじまる前に行く予定だったが、2人の予定が見事に合わず、ようやく今日うかがえたのである。

せっかくの機会なので、わたくしはきものを着ようと前日までは思っていたのだけれど、日中の気温予想を見て、また気持ちが折れてしまった。だって、きものを着た時点で「熱中症かも?」って錯覚するほどなんだもん。
確か、先週も先々週も、先月出張した関西でも「植田さん、なぜにきものじゃないの?」と突っ込まれてばかりである。今日も、西田さんの開口いちばんがそれ。

基本的にきものを着ようが、洋服だろうが、人間の中身は何も変わらないが、ここ数年の間に、周りがそれとなく要求をするわたくしらしい衣装は「きもの」というようなことに変化しつつあるのである。

立秋も過ぎたことだし、気を取り直して、ちゃんときもの着ますよ! 猛暑のきもの術について、楽艸の高橋さんからありがたいお話を聞いたので、それを実践してみようと思います。
(マニアックなきもの話は、
きもの*BASICルールのほうにまた書きます)


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